お人形にもいろいろと種類がございますが、みなさま【木目込み人形】をご存知でしょうか?今からおよそ260年ほど前の江戸・元文年間に、京都の上賀茂神社に仕えていた高橋忠重が作ったお人形が「木目込み人形」のはじまり、とされています。その技を受け継ぎ、磨き上げられた伝統技法を現代に伝えるのが「真多呂人形」です。
大正8年に創立された「真多呂人形」は、江戸時代から260年余り受け継がれてきた伝統工芸品である木目込み人形・五月人形などを制作しています。「木目込み人形」発祥の地、京都・上賀茂神社から木目込み人形の正統伝承者として認定を受けているのは、この「真多呂」だけなのです。
現在は、二代目 金林真多呂が現代感覚も取り入れたひな人形をはじめ、浮世人形など数多くの作品を発表。通産大臣指定の伝統工芸師の認定を受けている他、平成10年には『藍綬褒章』も授章しています。
ふっくらとした気品あふれるお顔立ちの穏やかな表情のおひなさまは、見る人の心を優しく和ませる雰囲気が人気です。人形の胴体部分は天然の桐素材を使用しており、ウレタンなどの化学素材は一切使用していません。ボディが木でできているため、型崩れ・衣装崩れしにくく、何年も元の美しい状態のままが保てます。他の人形に比べてコンパクトなのでな所を取らずに飾れるのも大きな特徴。小さいながらも品格や高級感は他のひな人形にひけはとりません。人形のお衣装も時代考証の研究を重ね、昔の衣装の着こなしを理解した上でれ選ばれたもの。十二単の襟や袖の色あいなど、平安時代の衣装を綿密に好尚し、創造性豊かなカラーコーディネートを行っています。もちろん、その年の流行も取り入れ、伝統と現代を融合させ、落ち着いていて上品、明るく格調のある真多呂らしさを盛り込んでいます。
来年のお節句まで、まだ少し時間の余裕はございますが、じっくり検討されるのならそろそろ動き出してもよろしいはずです。ぜひ、「真多呂人形」のよさを実際にお確かめくださいね。